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YAMAHA ArtistModel SE
ヤマハ/アーティストモデルSE(YCL-SE Artist Model)

世界のトップ層から前例のない好評価を得た限定モデル「KF」を通常品番化。
内外のオーケストラ奏者が注目する。

 3月20日、ヤマハからカスタムクラリネットの最上位モデルに位置づけられる「アーティストモデルSE」(YCL-SE Artist Model)が発売される。トランペットではすでにおなじみの「アーティストモデル」の名称がヤマハの木管楽器に付くのはこれが初めて。価格も、B♭管が75万円、A管が82万円(いずれも税抜)と堂々、ラインナップのトップを飾ることになった。
 2013年に限定モデルとして発売された「KF」(YCL-SE VmasterKF)がベースとなった。KFは温かくまろやかな響きを持つヤマハSE系統の流れを汲み、パワーと柔軟性を兼ね備えたSE-Vmasterをさらに進化させたモデル。限定モデルとして発売されると、特に海外ですぐに大きな反響を呼び、クリーブランド管弦楽団首席のフランクリン・コーエンやハンガリー国立フィルのジョルジ・サラモン、シカゴ響副首席のジョン・ブルース・イェーなどが愛用者になった。日本でも今号に登場している広島交響楽団の橋本眞介、九州交響楽団首席のタラス・デムチシン、ソロで活躍中のイシュトヴァン・コハーンなどが使い出し、今までにない拡がりを見せるとともに、彼らの周囲からも問い合わせが相次いだことから通常品番化に踏み切ったという。いずれにしろ、世界のトップ層をこれほど掴みつつあるモデルはこれまでのヤマハクラリネットには無かったはず。 ベルとバレルが新しく設計された以外の仕様はKFとほぼ同じ。菱形のイニシャルプレートもKFを踏襲した。管体に直接接するキーポストやジョイントリング、サムチューブなどはピンクゴールドで、より音色に繊細さを加える。またクラリネットで最も嫌な音とされるD/Aの音の抜けと音質が、立ち上げ式音孔の採用で大幅に改良された。  キーで最も注目されるのはヤマハが独自に開発した低音補正キーである(右手親指で操作する)。最低音EとFを同時に補正するシステムは恐らくこれが初めて。しかもベルに補正孔を開けたりせずに下管内にキーを収めることでベルの内径を阻害する弊害を避けている。これによって最低音Eの補正孔がさらに小さくなりズーズーという風切り音が発生しやすくなるが、これはトーンホール内にシートを挿入するという独自のアイデア(特許出願中)で解決した。  イシュトヴァン・コハーン氏はアーティストモデルSEを次のように絶賛する。「まず驚いたのは音程の良さと、息に柔軟に反応し思い通りに吹ける点。つまり喋れる楽器だということ。響きに余韻があるのもとても気に入っています!」
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